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Japanese Forum for Winter Sports Sciences

ご案内 第18回 冬季スポーツ科学フォーラム新潟

2007年7月28,29日(土、日)

報告

2007年 FIS ノルディックスキー世界選手権札幌大会 記念

「冬季スポーツ科学国際シンポジウム・フォーラム」

ポスター発表を終えて 
北海道大学学術交流会館前

会報 45号

2007年5月28日発行

URL http://home.hiroshima-u.ac.jp/tospo

第18回冬季スポーツ科学フォーラム

開催のご案内と演題募集

会場とシンポジストのご都合等により、急なお知らせとなり申し訳ございません。 ご参加をお待ちいたしております。

開催の概略

 1. 日時 2007年7月28日(土)、29日(日)

 2. 会場 新潟県健康作り・スポーツ医科学センター

  〒950-0933新潟市中央区清五郎67番地12

  東北電力ビッグスワン内

http://www.ken-supo.jp/Sports/Index.htmlen-supo.jp

 3.シンポジウム 「地域における冬季スポーツ競技力向上システム」

   スポーツ選手を育てる環境と、行政、競技団体、民間団体のシステム

 

 4.一般発表 演題を募集します。準備期間が短いですが、何卒よろしくお願いしま す。抄録原稿はA4サイズ1枚        に収まる大きさで、下記のアドレスま でEメールでお送りください。

      締切りは7月15日(日)

      e-mail:  t.miura@ken-supo.jp

■ 交通アクセス

   ◎ 高速道路

      新潟中央IC・新潟亀田ICより車で3分

   ◎JR新潟駅

      南口より車で10分

       タクシーご利用の方は、

        「東北電力ビッグスワンの新潟県スポーツ公園駐車場P1まで」

       と指示されれば確実です。

      市内バス 南口より

        南長潟経由南部営業所行

          「宮本橋」下車、徒歩15分(運賃180円)

      曽野木ニュータウン行

          「スポーツ公園前」下車、徒歩5分(運賃250円)

  ◎新潟空港

       車で25分


「冬季スポーツ国際シンポジウム」の報告

2007年2月17,18日の両日にわたり、北海道大学で「2007年FISノルデックスキー世界 選手権大会記念 冬季スポーツ科学国際シンポジウム」と「第17回冬季スポーツ科学 フォーラム2007札幌」が開催されました。当日の模様を報告します。

2月16日(金) 最終打ち合せ会議

札幌市内の全日空ホテルのレストランで、シンポジスト、座長、運営委員の最終打合わせ が行われました。

18日の北大市民講座「歩くスキー教室」の旗をバックに。前列左から2人目がヴィ ルマヴィルタ氏、一人おいてキルヴィスニエミさん。

フィンランドのイバスキラ大学のヴィルマヴィルタさんは日本には、何度も来たことがある とのこと。前回は長野オリンピックの時、IOCのbiomechanics research projectでスキージャンプの撮影に来たそうです。冬季スポーツ科学研究会で制作した長野オリンピックのビ デオの中に、ご本人が映っていました。翌日のプレゼンテーションをどれにしようかと渡部 氏と相談。傍らで同時通訳の担当者が「早く決めてください」とやきもきしながら待ってい ました。

キルヴィスニエミさんはお友達と一緒に来日。オリンピック出場の森 敏さん(後列右から3人目)に“ I know you.”と言って話しかけていました。お嬢様が2人いて、長女は陸 上競技を、次女の方はクロスカントリーをやっているそうです。


プログラム(報告)

2007年2月17日(土)10:00-15:00

名誉大会長挨拶
 「世界の冬季スポーツ振興を期待する」

   北海道大学総長 中村睦雄

あいさつ

 大会会長 渡部和彦

?氈@基調講演:市民特別公開講座??

 「冬季スポーツの選手養成はどう在って欲しいか」 司会:上杉尹宏

  三ヶ田 礼一(1992アルベールビル五輪、ノルディック複合金メダリスト)P.1  P.2

?? シンポジウム:「冬季スポーツ競技力の科学および教育・普及の現状と問題点」

 スキージャンプ 司会:渡部 和彦

   発表者:ミッコ・ヴィルマヴィルタ、 (イヴアスキーラ大学、運動学部門)

   コメンテータ:三ヶ田 礼一、森 敏

 クロスカントリー 司会:晴山 紫恵子

   発表者:マリア・リサ・キルヴェスニエミ (フィンランド)P.1  P.2

コメンテータ:佐々木一成内海 弘 

シンポジウムの模様を伝える翌日の北海道新聞
写真 左からヴィルマヴィルタ、三ヶ田、森の各氏

第17回 冬季スポーツ科学フォーラムの報告

国際シンポジウムとの共催だった今回のフォーラムは英語と日本語の発表でした。

2007年2月17日 15:00-17:00

口頭発表: 座長 北川薫(中京大学)

 

 「スキージャンプ初期飛行局面における空気力学的特徴」

   山辺 芳(国立スポーツ科学センター)

踏切り動作にともなって後方に振り上げられる上肢の動きに注目。風洞実験によって、振り上げ 動作は空気力学的に不利であり、体側に近付けた方がよい、と結論した。今回、「口答発表優良 賞」を受賞。

「 Flexual Vibration of a Jump Ski in Actual Flight 」

   塩野谷 明(長岡技術科学大学)

スキージャンプ飛行中のスキーの振動を、ジャンパーが身につけた2kg の装置で計測することに成功した。

「 Validity of the dry land jumping drills for the actual jumps 」

   森 敏(中京大学)

地面を蹴って行うシュミレーションジャンプは、踏切り時に後方への力が必要で実際のジャンプ と異なる点が問題だとし、オリンピック出場経験を持つ自分自身を被験者としてローラーブレー ドを履いて数メートルの坂を下りジャンプする新たなシュミレーションジャンプを提案した。「口答発表奨励賞」を受賞。写真は中京大学次期学長の北川氏と。

口頭発表: 座長 水野眞佐夫(北海道大学)

「 A Kinematic Comparison in the Skiing Motion of the Diagonal Technique Beween   Different Slopes During Classical Style Crosscountry Ski 10km Race 」

   法元康二(青森県スポーツ科学センター)

クロスカントリーのクラシカルのレースで競技成績と坂を登る速さとの関係に注目し、大腿を振 り上げる速さが大きな歩幅と登坂のスピードにつながると指摘した。

「 Research Overview of Japanese Forum for Winter Sports Sciences 」

   飯塚邦明(冬季スポーツ科学研究会)

冬季スポーツ科学研究会の17年の歩みをたどり、研究の特徴を考察。すべての発表演題を英訳 した冊子と長野オリンピックでのIOC研究プロジェクトの記録ビデオDVDを紹介。

「 Accuracy of Draw Shot in Curling 」

   柳 等(北見工業大学)

カーリング世界選手権出場の熟練選手と大学の選手を比較。熟練選手はストーンのHog line通過速度、停止位置ともに標準偏差が格段に小さいことを示した。


2007年2月18日(日) 9:00-12:00    
ポスター発表: 座長 山辺芳(国立スポーツ科学センター)

「風洞実験によるスキージャンプ・テイクオフ動作中の流体解析」
   山本敬三(浅井学園大学)
スキージャンプ踏切動作でかがんだ姿勢から伸び上がる時の空気抵抗をばね仕掛けの人形を使った風洞実験で計測。コンピュータでのシミュレーション結果と比較した。「ポスター発表優良賞」を受賞。

「スキージャンプ・テイクオフにおける空気力の数値流体解析」
   升光尚人(北海道大学大学院)
コンピューターによる実寸人体モデルでの空気力学シミュレーションを行い、膝角度130度で揚力-抗力比が最大になるというデータを示した。
 

「スキージャンプ競技の跳躍動作における地面加圧感覚に関する一考察」
   水崎一良(弓削商船高等専門学校)
シミュレーションジャンプ時の足圧の分布と選手が意識する足裏の部位について、シニアとジュニアの選手で比較検討した。

「スキージャンプ選手を対象とした長期的コンディショニングサポートの実践」
   山本敏美(札幌ボディーファクトリー)
2001-2007年にY県の国体ジャンプ選手を対象に、トレーニングの時期によって特異性、強度、量に変化を持たせるピリオダイゼーションを行い2004年以降、好成績を収めた実践報告。

「 EMG frequency analysis of takeoff motion in ski jumping 」
   中村格意(北海道大学大学院)
スキージャンプ選手とジャンプ初心者のシュミレーションジャンプ時の大腿二頭筋のEMGを周波数分析し、選手は速筋を多く使っていることを指摘した。

ポスター発表: 座長 竹田唯史(浅井学園大学)


「 Intramyocellular lipids in elite female cross-country skiers and biathletes 」
   中川喜直(小樽商科大学)
バイアスロンとクロスカントリーの日本代表女子選手について、脚筋肉細胞内の脂質の量と3km走のタイム、VO2maxを測定し、持久的運動の成績に筋内脂質との関係を示した。

「クロスカントリースキーにおける初心者を対象とした指導方法について」
   日向学(札幌白石高等学校非常勤講師)
用具サイズ・服装の確認から始めて、ダブルポール滑走、ダイアゴナル滑走へ、そしてクロスカントリースキーを楽しいと感じ、ポピュラーレースに参加できるような教育プログラムを作成。


「CCスキー・スーパースケーティング走法に関する熟練者の特徴抽出」
   巻静香(浅井学園大学)
スーパースケーティング走法についてCCスキー大会出場者65名のスタート時のビデオデータを分析。上位者はワンキックでスキーが進む距離が大きいが、ピッチは下位者と差がないと指摘。

「 Myoelectric Activity Characteristics of Elite Skiersduring Actual Cross-Country Ski Racing 」
   首藤匠(北海道大学大学院)
世界選手権出場選手と学生選手のレース中のEMG周波数分析から、特にキック時やポーリング時にエリート選手では速筋が使われEMG周波数も高くなることを示した。

「 A guideline of cross-country skiing for patients with coronary artery disease 」
   村岡卓哉(北海道循環器病院)
冠状動脈疾患700人以上を対象に、病院の隣接した400mトラックで心電や心拍をモニターしながらのクロススカントリー指導とその後の国立公園でCCツアープログラム15年間の実践報告。

ポスター発表:座長 飯塚邦明(冬季スポーツ科学研究会)


「フリースタイルスキー・ジュニアモーグル選手の体力特性」
   菅唯志(浅井学園大学大学院)
ジュニア強化選手11名の1年間の体力変化を比較し、上位群では無酸素パワー・無気的持久力が大きいが、上位群、下位群とも最大酸素摂取量には向上が見られなかったことを報告。

「スキー競技における大学スキー部への技術・体力・心理面のサポートについて」
   竹田唯史(浅井学園大学)
浅井学園大学スキー部員50人を対象に、年2回の体力測定とトレーニング理論講習会、心理テストなどを通して、選手たちを主体的実践へと導くサポート体制作りの実践報告。

「コンピュータソフトを利用したスキー指導の実践」
   近藤雄一郎(北海道大学大学院)
大学スキー部の合宿において、回転競技のスローモーションビデオ映像と重ね合わせ映像を選手に見せたところ、選手の75%が自分の描いていたイメージと異なるとアンケート回答。選手全員が自己の欠点を認識できたと回答した。「ポスター発表奨励賞」を受賞。

「トリノパラリンピックにおける心理サポートに関する実践研究」
   ~アイススレッジホッケーチーム~
   吉田聡美(コンディショニング・ラボ)
日本代表チーム15名に対する2004-2006年の心理サポート報告。本番のトリノでも合宿時と変わらぬ心理テスト結果を示した選手たちも、「検査結果を聞いて確認でき安心できた」という。


「スピードスケートにおけるジュニア期からの一貫指導を目的としたクラブの設立と運営 についての実践報告」

   小松洋介(浅井学園大学)

道東のスケートの名門、白樺学園出身の小松氏が、札幌でもスケートを盛んにしようと設立した 「ヴォルテックス」スケートクラブ14人の1年間の実践報告。

ポスター発表: 座長 服部正明(北海道東海大学)

「 The stages of psychological skill training in collegiate athletes of northern Japan 」

   山津幸司(浅井学園大学)

大学の運動選手102人を対象に、運動に対する動機づけ・心のコントロール技術等の心理テスト を行い、動機づけの強い選手は一方でリラックスしたり心を落ち着かせる能力も高い点を指摘。

「積雪寒冷期に手軽に行える新スポーツの開発について」

   小田史郎(浅井学園大学)

積雪時の運動不足を解消するために、かんじきとスポンジボールを用いた新しいパークゴルフを 開発。風によるハプニングを楽しみながら、運動の効果を計測した。

「 The characteristics of gait pattern on the fall induction floor surface 」

   山本意志(日本赤十字北海道看護大学)

滑りやすい氷結道路での歩行の特徴をVICONとEMGで分析。摩擦係数0.2の滑りやすい床面で は歩幅と足裏の接地角度が小さくなる。また前頸骨筋などの放電が増加して転倒を防いでいる。

「 Applications of polls for Nordic walking to prevention of slipband fall accidents 」

-Evaluation of gait stability using the relative posision and velocity of the center of body mass一

   幸田聡(北海道大学大学院)

歩行中の被験者が足を地面につけるのと同時に前後左右に揺らぎを与え、歩行の安定度を計測。 スキーポールを持って歩けば安定度が増して歩幅、速度そして運動量が増やせると提案。

「 Training-type 歩行法の考案と有効性の検討 」

   高倉圭祐(北海道大学)

身体を前傾し、ひざを曲げ、腕を左右にふりながら大股にあるくHip-strideは、スリップ転倒を 防ぎながらもVO2やEMG放電が大きく、雪国で生活する人の健康増進に有用であると提案。

表彰式

研究発表の各セッション座長を担当した6名の合議により、若手研究者の中から口答発表、ポスター発表のそれぞれより「優良賞」「奨励賞」が選ばれ、表彰されました。(受賞者の名前と写真はプログラムに掲載)

総会

2月18日の運営委員会及び総会で次のフォーラムの幹事を新潟スポーツ医科学センターの三浦哲氏にお願い することになりました。


オリンピック選手の「歩くスキー教室」大盛況

市民特別公開講座?? 会場 札幌市中島公園

   指導:マリア・リサ・キルヴェスニエミ、佐々木一成、森敏

2月18日。午前中のポスター発表に引続いて、午後からは札幌市中島公園のスキー コースで「歩くスキー教室」が開催されました。家族連れの方をはじめ70人以上の 市民の参加がありました。写真は指導にあたる3人のオリンピックアスリートたち (左からキルヴィスニエミ、森、佐々木の各氏)。

オリンピック選手に続いて小学生の参加者も出発。

「国際シンポジウム」を企画した川初氏(左)と「歩くスキー教室」開催を担当した札幌市スポーツ振興財団の毛内氏(右)。多くの参加者に思わずにっこり。

フィンランド語で「出発」「到着」の旗を作ってくれた浅井学園大学の鈴木さんたち。


2月17日の夜、北大構内で行われた懇親会

お嬢さんもアスリート

キルヴィスニエミさん(写真中央)には2人のお嬢様がいます。小さい頃はオリンピック 選手のお母様といっしょにナショナルチームのメンバーと世界中をめぐっていたそうです。 ご長女は陸上の幅跳び選手・次女はクロスカントリー選手として活躍中です。2月17日は ちょうどフィンランドでジュニアのクロスカントリーの大会の日でした。キルヴィスニエ ミさんの滞在する札幌のホテルにお嬢さんから電話が入ったのは懇親会の始まる直前。「お 母さん、優勝したわ。テレビのインタビューがあるのだけれど、何を着ていったらいいか しら。」この日、午前中の学会発表の時はあまり体調が芳しくないと言っていたキルヴィス ニエミさんですが、お嬢様の優勝の知らせを聞いてから、急に元気に。

翌日の「歩くスキー教室」では、フィンランド語の通訳のサーヤさんの「もっとヘソを上 に、ヘソウエ、ヘソウエ」のかけ声とともに中島公園をスイスイと滑っていました。

事務局より   会費納入のお願い

会費は研究会当日に集めていましたが、研究会に参加できない会員も多い ので2007年度分から元の振込方式で会費を集めます。研究会の2007年度 会費を未納の方は、同封の振込用紙でお近くの郵便局からお振込みくださ い。    年会費2,000円(一般)  1,000円(学生)

長野オリンピックのIOC Biomechanics Research Projectビデオ(50分)がDVDになりました。研究会会員の方には送料のみでお送りできます。 (会員外の方は実費500円)

冬季スポーツ科学研究会

事務局 739-8524 東広島市鏡山1-1-2    広島大学教育学部

健康スポーツ科学講座 生理学研究室 渡部和彦

直通電話 0824-24-6840 直通fax 0824-24-5265

会報作成 飯塚邦明   電話048-874-3159

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