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信州大学キャンパスにて 2008.7.26
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第19回 冬季スポーツ科学フォーラム2008長野の報告 第19回冬季スポーツ科学フォーラムは、2008年7月26,27日、長野市の信州大学教育学 部で開催されました。フォーラムを開催していただいた信州大学の結城先生方のご協力によ り、当日に配付されたシンポジウム・一般発表の抄録が下記のウェブサイトでご覧いただけ ます。 http://home.hiroshima-u.ac.jp/tospo/2008Nagano/2008index.html フォーラム第1日目の7月26日(土)には、基調講演とシンポジウムが行われた。 【基調講演】 「冬季スポーツ科学研究のこれから」 渡部和彦(広島大学名誉教授 冬季スポーツ科学フォーラム運営委員長) |
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渡部先生が広島大学を定年退職されたのを機会に、お話を伺おうということになった。 先生はこれまでのスキーの科学研究の流れから発想し、「これからは福祉関係・学校体 育・高齢者・地域住民の体力づくり・地域活性化のスポーツのそれぞれの分野で冬季スポーツ科学研 究会が貢献していく必要がある」と話された。 |
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【シンポジウム】「冬季スポーツにおけるコーチ教育を考える」 シンポジスト 竹田良秀(新潟県妙高市立にしき養護学校教諭) 瀧澤慶太(信州大学大学院教育学研究科) 小松洋介(北翔大学大学院生涯学習研究科) 竹田氏は、スペシャルオリンピックス(知的発達障害のある人たちにスポーツトレーニングの機会と 競技会を提供する国際組織)の紹介をはじめ、新潟県の津南中学校、妙高中学校でのクロスカントリース キー部で全国チャンピョンを育てた当時の話をされた。瀧澤氏 は、現在、クロスカントリースキーの外部コーチとして十日町 中学校での指導しながら考えるさまざまな問題点を話題とし た。小松氏は、札幌市で運営するヴォルテックススケートクラ ブの3年間と、今後の課題について話された。 |
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フォーラム第2日目の7月27日は午前9時から一般発表が行われ、総会も開かれた。 【一般発表】 「スキージャンプ・テイクオフ動作の移動境界流れ解析」 山本敬三(北翔大学) テイクオフの時には姿勢が瞬時に変化するので、空気の力学を考える時にも動的な分析が必要だとし、こ れまでの連続静止画的な分析手法と新たな動的分析手法の違いを示した。 「スキージャンプ踏切動作における地面加圧感覚が足圧分布に及ぼす影響」 水崎一良(弓削商船高等専門学校) ジャンプ選手が意識する足圧中心の移動と、計測データによる足圧中心の移動には、ずれがあり、ずれの 大きさは競技成績にも関係していると指摘した。 「スキージャンプにおける初心者の筋活動特性とトレーニングによる変化」 森 敏(中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室) 初めてスキージャンプを行う人の筋電図を記録し、踏切り後に前頸骨筋の放電が止んでしまうことを発見。 初心者は空中での技術を早く習得する必要があると指摘。 「スキージャンプ踏切動作のストロボ画像の即時フィードバックを目的としたソフトウェア の開発」 松本 実(中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室) ジャンパーが撮影画面内に入ると、家電用デジタルビデオカメラから取り込んだ映像が直ちにストロボ画 像としてパソコンで見られるシステム。その利便性が会場の参加者から注目された。 「トップモ−グルスキーヤーの肩関節機能障害・アラインメント不良と滑りの関係について の一考察」 望月一成(千曲中央病院 整形外科) 右肩関節の違和感を訴えるモ−グルのナショナルチーム選手が、一週間の入院リハビリテーションによっ てアラインメントを整え、ストック動作を改善する姿をビデオ映像で紹介。 「最速ターンを行うための技術のかなめ」 尾原かず夫(富山県黒部市) 横ずれのない速いターンには、脚部を傾けてスキー前部を回旋させる必要がある。ターンを終える瞬間に 上体がスキーの上を横切る動作の習得と指導法の確立が必要であると力説。 |
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「フリースタイルスキーモ−グル競技におけるビンディング解放値の設定状況とケガの経験 について =全日本スキー選手権大会 モ−グル競技での実地調査=」 望月一成(千曲中央病院 整形外科) 男子選手では3分の2がビンディング解放値を11〜13に、女子では半数が10〜12に 設定していたが、スキーが解放しないことによるケガの経験者が多数あった。適切な設定値を探る必要がある。 「スケートボードの練習がスノーボードの技能獲得に及ぼす影響について」 山口立雄(岡山大学教育学部) スノーボードの実技講習に参加する学生があらかじめ3回のスケートボード練習をした場合は、しなかった学生より技能の達成感が高く恐怖心 が低い傾向を示したが、明らかな差とは認められなかった。 「C.C.スキーV2スケーティングの動作分析 〜斜度による滑走技術の違い〜」 杉本つばさ(北翔大学大学院) トレッドミルの傾きを大きくすると、一流選手はローラースケーティングの角度を開くことで対応し、キッ ク力そのものは変化しなかった。さらに急な斜度では個人差が大きかった。 「中学クロスカントリースキー選手の生理的応答からみたトレーニングの課題」 瀧澤慶太(信州大学大学院教育学研究科) 十日町中学校のスキー部員について競技会と実験で、血中乳酸、心拍数の測定、登り急斜面での動作分析 を行い、無酸素性エネルギー供給改善と1ストロークを長くするトレーニングの必要性を指摘。 「2008世界スピードスケート距離別選手権男子5000m競技のレース分析」 竹中俊輔(信州大学大学院教育学研究科) VTR撮影により1〜12位の上位群と13〜24位の下位群を比較。上位群はレース前半にカーブでの加速が 大きく、後半も下位群よりストレートでの減速が小さいと特徴づけた。 「冬季スポーツにおける三つの提案」 高橋 寛(長野県スケート連盟) 文部科学省の推進する総合型地域スポーツクラブの設立のための準備として、2007年と2008年に黒姫ス ノーパークで実施した家族と子供が楽しむバイアスロン(銃でなく5ホールのマレットゴルフ)、スノー シュ−競技の報告。 【総会の報告】 1. 次回の第20回記念フォーラムは、北海道の北翔大学で行われる。竹田唯史氏より、ゲ ストスピーカーなど、検討中である旨の報告がなされた。 2. 第21回のフォーラムは金城学園大学(名古屋市)の袖山紘先生にお願いしたい旨、提 案がなされ袖山先生にも了解していただいた。時期は2010年の2,3月頃になる見込み。 |
2009年1月13日に冬季スポーツ科学フォーラム運営委員長の渡部、事務局の飯塚の2人 が、7月の第20回フォーラム開催のご挨拶のために北翔大学を訪問しました。北翔大学で はフォーラムのメンバーである晴山紫恵子副学長、竹田唯史氏、山本敬三氏が迎えてくれました。そして遠藤 知恵子学長、小田嶋政子学科長にご挨拶することができました。また、実行委員会顧問の中川功哉先生にもお会いすることができました。 山本敬三氏の案内で、キャンパス内に新築された「北方圏生涯スポーツ研究センター」通 称「スポル」の施設を見学し、フォーラムの会場となる6階の「大会議室」も見せていただ きました。 フォーラムの開催される2009年7月25,26日は、ちょうど北翔大学のオープンキャンパ スの行われる日で、多くの高校生が大学を訪れます。フォーラムの行われるスポルの1階の 体育館は、オープンキャンパスの主会場となるそうです。北翔大学では2009年4月から「生 涯スポーツ学部」がスタートします。スポーツと名のつく学部をめざしてオープンキャンパ スを訪れる高校生もいるでしょうから、「冬季スポーツ科学フォーラム」Sを知っていただくには よい機会です。「1階の入口ホールでも高校生向けに何かさせていただけないか」と事務局 よりお願いしました。 |
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遠藤学長を囲んで |
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会場となるスポル6F大会議室 |
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北翔大学の食堂で |
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1989年に横浜国立大学で冬季スポーツ科学研究会の設立準備会が、翌1990年10月に岡山 で第一回の研究会が開かれました。今年は記念すべき第20回フォーラムとなります。北翔 大学をはじめ北海道の皆様が実行委員会を組織してくださいました。 期 日 2009年7月25日(土)、26日(日) 会 場 北翔大学 北方圏生涯スポーツ研究センター6 F 大会議室 〒069-8511 北海道江別市文京台23 参加申込締切 2009年6月20日(土) emailにて下記まで 発表抄録締切 2009年6月20日(土) 抄録はA4サイズ1枚にまとめてemailにてお願いします。 送り先 山本敬三(北翔大学) email kyamamoto@hokusho-u.ac.jp 実行委員会
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