プロフィール
同志社大学スポーツ健康科学部 教授
専門:スポーツ生理学,高所トレーニング,クロスカントリースキーの生理学および
トレーニング
同志社大学卒
筑波大学大学院博士課程修了 博士(体育科学)
全日本スキー連盟クロスカントリースキー医科学委員
全日本学生スキー連盟医科学委員
およそ40年ほど前のクロスカントリースキー競技に比較して,現代のそれはその競技 特性に関してスポーツ生理学的およびバイオメカニクス的に大きな違いが見られる. 主な違いは,走法の変化であり,ダイアゴナル中心の過去のクラシカル競技スタイル に比較して,現代はクラシカル走法におけるダブルポールを多用することになったこ とである.
また,フリー競技においても,1980年代のこの競技の始まった頃に比較して,クイッ クスケーティングからスーパースケーティングの多用へと大きく変化してきている. このようなスキー技術の変遷に伴って,当然,選手に求められる生理学的能力も異 なってきている.今回は現代のクロスカントリースキー競技において求められるス ポーツ生理学的な能力とそれを高めるトレーニングについて述べたい. なお,このテーマに当たっては,筆者の友人で世界の一流のクロスカントリースキー 科学者であるDr. HC Holmberg の資料を中心に私見を交えつつ論じることとした い.