冬季スポーツ科学研究会運営委員長 渡部和彦
本年2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。千年に一度の大災 害と聞いています。この学会が開催される現在(2011年8月4日)にっても、 多くの被災者が仮設住宅に避難されています。福島県はじめ被災県から県外に、7万人もの人々が避難を余儀なくされている現状があります。原発被害とそれに伴う放射能汚染被害は、土地・家屋の汚染に止まらず、肉をはじめ多くの食品に及でいます。困ったことに、現在のところ終息の気配が見えません。
本研究会会員の皆様におかれましても、東日本での大災害に特別のご心配を されたことと思います。仙台大学、東北大学などの本研究会関係者の皆様のこ とが気がかりであったことと存じます。まずは、被災された多くの皆様方に、 心からのお見舞いを申し上げます。
さて、このたび、第23回冬季スポーツ科学フォーラムが、野沢温泉村で開催 されることになりました。大会長をお引き受けいただいた片桐幹雄様はじめ、 実行委員長森敏様、そして関係各位の皆様方に心から御礼申し上げます。
基調講演の佐々木敏先生から「ルール変更と科学の役割」と題してのお話が 予定されています。シンポジウム「スキーのトレーニングについて考える」で は、新進気鋭の先生方のご提案、とくに片桐幹雄先生からは、ご自身の豊かな ご経験から、実践現場の指導を踏まえたトレーニングについてのご意見も期待 しています。トレーニング関係の講習会の企画では、山本敬三先生の実技・実 践を伴った「スキージヤンプ選手のトレーニング」があります。
一般発表では、2018年冬季オリンピックが決定した、韓国平昌の背景をはじめ、韓国の現状を知ることができる、貴重な機会であります。ほかにも最新の研究発表が多数予定されています。
野沢温泉の豊かな自然の中で、博物館での歴史的貴重な資料に思いを寄せ、 また最先端の研究課題に着目し、野沢温泉の湯に負けない勢い議論を深め、更 なる発展のエネルギーを生み出しましょう。
最後になりましたが、このたびのフォーラム成功の為にさまざまなご協力・ ご尽力をいただきました、野沢温泉スキー関係者、地元の皆様方に研究会を代 表して、心からのお礼を申し上げます。